耐震診断義務で温泉旅館が悲鳴

1981(昭和56)年以前に建築された建物に耐震診断と結果公表を義務づける「改正耐震改修促進法」が2013年5月22日に成立しました。耐震診断と結果公表が義務づけられるのは、病院・店舗・旅館など不特定多数が利用する大規模施設や、学校や老人ホームなど避難弱者が利用する施設となっています(大規模施設は5000m2以上、避難弱者の利用施設は、老人ホームが5000m2以上、小中学校が3000m2以上、幼稚園・保育所が1500m2以上とされる見込みです)。

ちなみに、3LDKの平均的な分譲マンションの1室が70~80m2ぐらいですから、5000m2というとかなり大規模です(1フロアー5部屋で15階建てとか、それぐらいですね)。

この法律の成立を受けて、石川県加賀市の山代温泉や七尾市の和倉温泉などの旅館が、2015年末の耐震診断期限に間に合わす時間も費用もなく、せっかく北陸新幹線が開業して客足が増えると思っていたのに、このまま期限を迎えて公表されれば温泉街のイメージが悪化して客足に影響しそうで困ると嘆いており、耐震診断や回収に対する助成金の交付や公表までの猶予期限を設けて欲しいと嘆いている、というニュースが掲載されていました。

とはいえ、消費者には正確かつ十分な情報を元に商品やサービスを選択する権利があります。従って、耐震診断を受けているかどうか、改修がなされているかどうかという生命に関わる極めて重要な情報は、やはり情報として入手可能であるべきです。その上で、安全性が低いからとその旅館を選ばないか、安全性以上の魅力があるからとその旅館を選ぶかは、消費者の選択に任せるべきであって、そもそも知らせないという選択肢は取るべきではありません。

特に耐震改修は利用者の生命に関わることなのですからなおさらです。旅館経営や北陸新幹線開業という目先の利益に惑わされることなく、もっとも旅館にとって大切なはずの利用者の生命の安全を第一に考えて、最善の方策をとっていただきたいと思います。

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